あなたの「小野伸二」は?

自分が今、そこに存在意義を見出したい世界で「少しでも近づきたい。でも一生努力しても敵わないかもしれない。」
と感じる人が身近にいるだろうか?
私の場合、地元の普通の公立中学校でたまたま入部した野球部の一年上の先輩はそんな人達だった。

私の記憶に間違いなければ、この先輩の代のチームは、練習試合、公式試合含め26勝1敗の成績を残して引退した。
中高の部活で運動部の経験者であれば恐らくピンと来るだろう。
一敗で終えたということは、最後の夏のトーナメント大会で負けるまで新チーム結成以来無敗だったのだ。

キャプテンで四番のOさんは豪快なホームランを連発し、ショートのYさんは走攻守すべて揃った万能選手だった。
ノーヒットノーラン二回達成のエースAさん、シュアな打撃でセンスの塊サードMさん、
「あれだけ打つ9番見たことない」と監督に言わしめたライトTさん等々、
普通の野球少年の私はただただ圧倒されるのみだった。
「X勝ちだと攻撃が一回減るから」という理由で、試合前のジャンケンで勝つと監督は必ず先行を選ばせていた。

地方の郡部の中学の部活ゆえ、地区のレベルもさほど高くはなかったのかもしれない。
ただ例えどのようなレベルにしろ26連勝という記録は尋常ではない。
彼らの印象は鮮烈だった。

スポーツの世界ではしばしばそんな状況が起こるらしい。
レベルは全く違うだろうが、この記事を読むといかに小野伸二という存在が同年代にインパクトを残し、日本サッカーのステージを上げる役割を担っていたのかがわかる。

実は自分のレベルも上がっていたことに、またその理由が傍にいてくれた「とてつもない存在」のおかげでだったことには、後になってからしか気付かない。
今あなたのそばにいる「小野伸二」は誰だろう?

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