マラドーナの訃報に思うこと

マラドーナの名を初めて聞いたのはいつの事だっただろう。
私がサッカーW杯をまともに見だしたのは1982年のスペイン大会からで、この時すでにマラドーナも出場していたがあまり活躍出来なかったと記憶している。
日本でも広く世間にその名を轟かせたのは「5人抜き」と「神の手」の1986年メキシコW杯だろうが、まだJリーグが発足していなかった当時の日本では、W杯といえども興味を持って中継を見ていたのは一部のサッカーファンだけだったと思う。私もその一人だったが、当時は同じW杯の舞台に日本が立つとは想像もしていなかった。
同じサッカーでも国内トップの日本リーグとW杯とは、全く別世界の話だった。この感覚は80年代からサッカーW杯を観戦していた日本人ならその多くが同意してくれると思う。
マラドーナの大会と言われたメキシコから12年後、日本はフランス大会でW杯初出場を果たし、その後2018年ロシア大会に至るまで6回連続でW杯に出場している。いまや多くの日本人がサッカー日本代表に興味を持ち、W杯に出場するだけでは満足せず上位に勝ち進む事を望むようになった。
マラドーナが活躍していた頃、まだ別世界だと誰もが思っていた頃、日本サッカーの未来を信じ種を撒いた人がいたからこそ、30年かけて撒いた種がここまで育ったのである。
この30年、サッカーとは裏腹に世界のトップから衰退した今の日本のエレクトロニクスがベンチマークすべきなのはシリコンバレーにではなく、足元の日本にあるのではなかろうか。

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