ボーッと考える時間

チコちゃんには叱られるかもしれないが、私は物事をあれこれボーッと考える時間が嫌いではない。
ボーッと考える時間は生産性を気にするビジネス現場では嫌われるが、「生産性」という言葉には単位時間あたりどれだけ仕事ができるのかというイメージがある。このイメージは稼働時間を二倍にすれば生産量も二倍になる工場の製造ラインのような「リニアモデル」には上手く合致する。
但し動植物や人の成長が関わる問題では、リニアモデルでは説明できない「生体モデル」になる事が多い。

横軸にかけた時間、縦軸に目に見える成果を取ったグラフを書くとリニアモデルは右肩上がりの直線になるが、生体モデルでは時間が進んでも細かい一進一退を繰り返し、ある時点で突然上にジャンプする。
子どもの頃、初めて自転車に乗れるようになった日や逆上がりが出来た日の事を思い出すと分かると思う。

PDCAを回しても加速出来ない事があること、表に進展は見えないが内面に豊かさが育まれていく時間があること、時間を掛けるプロセス自体が意味を持つ場合があることに、もう少し皆留意してもいいのではなかろうか。
ジャングルジムの上で雲を見つめている子はボーッとしているように見えて頭の中は目まぐるしく動いている。

21世紀になり20年が経過し、コロナ渦に見舞われている2021年初頭にあたり、我々が目指すイノベーションは20世紀に確立されたリニアモデルではなく、生体モデルにあるように思うのである。

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