ROxの罠

かつて経営学のファイナンスの授業で、ROA、ROI、ROEなど「ROx」の形式で表される経営効率を表す指標があることを学んだ。
いずれもROはReturn onの略で「〜あたりの利益」という意味である。例えばROE(Return on Equity 自己資本利益率)は自己資本、即ち株主による投資が1円あたり何円の利益を生んだか、という指標でありROxはいずれもその値が大きいほど良い経営であると見做される。
ただROx=利益÷x と割り算で算出されるこれらの指標にはトリッキーなところがある。
企業の規模の大小の影響を排除して同じ土俵で評価しようというのは正当な使い方だと思うが、ROxを大きくするために、Rを増やすよりもxを減らす事に注意が向くと歪みが生じうる。
xをゼロに近づければROxは無限に大きくなるが、この方向に執着しすぎるのは錬金術、博打と変わらない。
平たく言えばROxとは「楽して儲ける」とか「なんぼ元手がかかっとるんや」という事なのである。

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